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クリとフィラリア。

クリは、フィラリア感染症の検査と治療の為、21日から入院中しています。
IMG_1206.jpg
いつもお世話になっている方のご好意で、文京区の病院で受診しました。


21日、クリの入院前に院長先生から、これからの方針について、ご説明を伺いました。

「ここ数日で必要な検査をします。腎機能、肺動脈の状況などを調べた後、最もクリに適していると考えられる治療方法を決定します。」ということで、入院しました。

先生のお話では、血管内で虫体やミクロフィラリアは、移動するたびに血管内壁を傷つけながら全身をめぐっているということです。
他の臓器がどの程度の損傷を受けているかを知ることは必須、免疫介在性の病気をはじめから患っていた場合、糸球体腎炎を引き起こし、ショックをおこしたり、薬物の中毒を起こす危険もあるので、安易な方法での駆除はでできないとのことでした。

「虫体の数が多い場合、肺動脈塞栓症などの危険を最小限に抑える方法を検討します。」ともお話ししていました。

いずれにせよ、今の状況を確認してから、今後の方針を決めるということでした。
治療方法が決まるまでは、ドキドキでした。


そして、今日、治療方針が決まりました。

幸いにもクリは、肺動脈塞栓の可能性が低いとの判断で、成虫も少ないとの診断でした。

薬は、イミサイドイミトサイドを使い、成虫を殺すことになりました。
治療に耐え得るフィラリアのステージと安静にできそうかを見極めて、使う薬との事です。

イミトサイド注射後は、1ヵ月間は、絶対安静が必要です。
どんなに犬が元気でも、治療中は走らせたり興奮させたりしてはいけません。
薬で死んだフィラリアが肺の動脈に詰まっていきますので、急激な心拍数上昇は致命的です。

治療中は、しばらく入院です。
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クリ、頑張ってね!


フィラリアのことは、知らないことも多く、今回は勉強になりました。
皆さん、ご存知の方も多いかと思いますが、フィラリアの事を纏めてみました。
お時間のある方は、読んでみて下さい。↓



 フィラリア感染症のサイクル 


★フィラリアの幼虫の成長段階は、L1~L5迄の5段階です。(Lとは、Larva=幼虫の事です)
 すでに犬の体内で成長したフィラリアの成虫が生むのは、L1ミクロフィラリア(仔虫)です。

①犬の体内でフィラリアの成虫が、LI(ミクロフィラリア)を産みます。

※L1のミクロフィラリアは、犬の体内では、成長できずL1のまま血中に留まり蚊に吸血されなかった場合、2年間で死滅します。ミクロフィラリアが生き残るためには、蚊に吸われ、蚊の体内に入らなくてはいけません。
この間、0.2mmのサイズの遺物が体内のあらゆる血管の中を傷つけながら循環しています。
血管壁に貼りついてしまったものは、白血球などで駆除されます。

ミクロフィラリアは、中間宿主を必要とし、L1(体長0.2㎜位)~L3(体長1mm位の幼虫)迄は、蚊の中でしか成長できないのです。


②感染した犬の血と一緒にL1の子虫は、蚊の体内に入ります。そのため、夕方になると蚊に吸血されやすくするため皮膚近くに移動するとの文献もありました。

移動1


③蚊の体内で、2回脱皮し、L3(幼虫)まで成長すると、育ったL3の幼虫は、蚊の針先まで移動します。

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④感染幼虫になったL3は、針を刺す際に出す蚊の唾液に混ざっており、犬の血を吸血している蚊が針を抜く際、その針穴から犬の皮下に侵入します。

移動
         
(※蚊は、10匹以上のミクロフィラリアを取り込むと子虫の成長のサイズに耐えきれず、死んでしまいます。
  最大で、10匹程のL3が、犬の皮下に入るしいうことです。)


⑤皮下に侵入したL3は、犬の皮下でL5(体内移行幼虫)まで成長し、その後、血管を目指して移行します。

血管までたどりついた後は、自分で移動して移動するのではなく、静脈の中の血流により、大静脈から心臓を経て、肺動脈まで流されて、そこで移動を終えます。

⑥血管内に侵入後、血流に乗り、大動脈から心臓まで流され心臓を経て、肺動脈末端で引っかかり、肺動脈内で、L5から成虫に成長し、死ぬまで肺動脈の内部で生活します。

そして、雄雌が揃ったとき①成虫は、ミクロフィラリア(仔虫)を産みます。
雌だけでも子虫は生めません。
ちなみに、雄・雌の比率は5対1だそうです。



※フィラリア虫体は右心室から流れてくる血流に押され続けていますので、通常は肺動脈にいるのみであり、心臓の中には留まりません。
心臓の中に出て来るのは、肺動脈病変が悪化し、肺動脈圧が高くなって、右心室圧と肺動脈圧の差が少なくなり、押し戻されるように、心臓の中に紛れ込んできます。


そして、心臓の中にまで虫体が出て来てしまうようになると、犬の心臓の三尖弁に虫体が絡んで弁としての機能ができなくなり、結果として心臓のポンプ機能が損なわれ、急性の心不全の状態になり、犬が死んでしまいます。

犬の血中のミクロフィラリアは、夕方には、犬の表皮面部分の抹消血管に日中の5~10倍、それ以上のミクロフィラリアが集中するそうです。ミクロフィラリアも、蚊に吸われないと死滅してしまうので、生き残るために一生懸命なのでしょうか。
凄いですよね。




フィラリア成虫が産んだ幼虫(ミクロフィラリアL1)は、犬の健康に何ら害を及ぼさないと、勘違いしている方が多くいました。成虫がいても、駆虫薬でミクロフィラリアを殺してしまえば問題がないと・・。
死滅して血管壁に付いたミクロフィラリアは、白血球によって消滅してしまうそうですが、死滅し血管の中を巡るミクロフィラリアは、末梢血管につまってしまうので、本当に怖いことだと思います。
肺胞や腎臓の糸球体、肝臓・・・毛細血管のどこで塞栓症を起こすかわからないのです。

重度でしたが、フィラリが完治しまた・・・と、その1~2年後に、急に亡くなってしまっている犬も、多いそうです。解剖をしていないので、フィラリによってか、そうでないかはわかりませんが、何処かで血栓を起こしていれば・・・。

もし、フィラリ症になってしまった場合は、大型犬より小型犬の方が、よりリスクが高いということです。
虫の大きさは同じですから・・・。



つまり、フィラリア症の治療を虫体をすべて殺すことと位置付けるのであれば、治療は可能です。
しかし、一度感染してしまった身体は、二度と以前の身体には戻れないのです。
傷ついた血管や臓器は元には戻りません。
こわいのは、二次的な障害や合併症だということです。

私たちは、当然のことを見逃していました。
血液にはタンパク分解酵素はなく、死んだ虫体は分解されることも、溶けることもなく、血流にのって結核内腔を傷つけながらめぐっているのです。
子虫がどこかに詰まれば、白血球や血小板などに攻撃され大きな塞栓をおこしたり内腔の狭窄をおこします。

フィラリアを簡単に考えすぎていて、今回、獣医師に質問したり、色々と解らないことも多くありました。
疑問は尽きず、ひとつことつ調べていくことで、とても勉強になりました。

改めて、きちんとフィラリア症の感染・発症の予防を(正確に言うと駆虫です。感染・駆虫・感染・駆虫と一か月おきにまとめて駆虫しているのです)怠ってはいけないものと思いました。




(幼虫駆虫薬の効き目)
ミルベマイシン → L1,L3,L4,L5
イベルメクチン → L1,L3,L4,L5
セラメクチン   → L3,L4,L5  
モキシデクチン → L3,L4,L5 
 

今回、フィラリアを調べていると、面白い記事に出会いました。
http://news.mynavi.jp/news/2012/01/11/050/index.html
今後、この発見がフィラリアの治療に活用されると犬の負担も軽減されるのではないかと思います。

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